こんにちはメガネのイザワです。
最近、YouTubeを見てご来店いただくケースが本当に増えました。
そして動画で情報を探している方は結構、年配の方の割合が増えたなという印象です。
ご自身の見え方の困りごとに対してネットで調べるにしても、ブログなどの文章で情報を探すには限界があり、動画の方がより分かりやすい部分もあるのかな?と感じます。
ただ先日、他の場面でロービジョン(弱視)の方がご来店いただいた時には
「見えづらさがある物にとっては情報を得る手段が限定的だ」という意見をいただきました。
確かに見えづらさがある方にとってはネット上の文章であっても動画であってもなかなかそこで細かいところまで探そうという気には成れない部分はあるかと思うのでラジオ的な音声ベースの物で情報を得られる機会が増えても良いのかなとふと思いました。
技術的にはX(Twitter)のスペースや少し前に爆発的に流行ったclubhouseなどがあると思いますが、もう少し話した内容がアーカイブ的に漁れるプラットホームがあればいいのになぁと感じました。もしかしたらすでにあるのかもしれませんがもしご存じの方いらしたらコメント等で教えてください!!
さて今回のお客様は、毎日運転をする75歳の方で夕暮れ時間帯などになると極端に見えにくくなるという事で眼科を受診されそこでは白内障と初期緑内障の診断をされたようですが、免許の更新は問題ないだろうという事で眼鏡処方箋をいただいたという事でした。
その状況で見え方に関する事をYouTubeで見ていたら当店のチャンネルにたどり着いたという事でご来店いただきました。
一言に白内障と言ってもあるか?ないか?の二択ではない!!
眼科さんで白内障と緑内障の診断をうけ、緑内障に関してはまだ初期の段階なので目薬で進行をコントロールしながら様子を見るような状況という事でした。
今回主な見え方に関わる部分は白内障。
白内障というのは0か?100か?ではなくてその度合いも様々です。
一般的に白内障というと眼の中の水晶体と言われる部分が白く濁る(白濁)する事を言いますが、その白内障というのも大きく分けて3種類の形態があるようで、皮質白内障、核白内障、後嚢(のう)下白内障
その三種類の白内障の中で核白内障(水晶体の中心部?)で起こる白内障にはその程度を5段回に分けて治療方針を決めていくそうです。
さらにはある眼科医にお話を伺った時にはその白内障も、どの部分で起こっているのか?というのも見え方(視力)大きく影響するとの事で、例えば水晶体周辺部で白濁が起きていても検査上の視力に影響を与えにくい場合もありますし、逆に中心部に白濁が起きれば軽度の白濁でも視力に大きく影響するケースがあるとの事でした。
こう言った事も踏まえると一言に「白内障」と言ってもその影響はひとり一人様々で非常に難しい部分かと思います。
そして白内障の進行(変化)のスピードもひとり一人違うので定期的に眼科でチェックしていただく事が望ましいと思います。
現代では白内障手術も一般的になった感じはするけど・・・
私が眼鏡屋になった25年前くらいはちょうど白内障手術というのはよく聞くものになっていました、しかしそのもう少し前の白内障手術というのは白濁した水晶体を取り除くだけの手術もあり、眼の中で強い度数を担う水晶体を取り除いた後は眼鏡にてその部分を補わなければならないので、キャタラクトという強い遠視眼鏡によって矯正をしていました。
今では白濁した水晶体を取り除いた後は人工レンズによって補う事ができるので、白内障手術後としてはキャタラクトレンズの出番もなくなりました。
しかしもともと水晶体というのは調節力を担うレンズですが、人工レンズではその調節力を持たせることはできません。
一般的に加齢に伴い、もともとの調節力も衰退するので、一般的な白内障手術の対象になる方は白濁した水晶体を取り除き人工レンズを入れるメリットは高くなってきますが、ほかにも若年性の白内障など様々な状況があるので一概にどちらが良いか?というのは言えなくなってくる部分もあるのだなと感じます。
そして先ほど書いたように白内障の度合いや見え方に対する影響はひとり一人違うので、いつ手術するか?の判断は眼科医によってさまざまになってしまうという事があります。
もちろん「手術」という性質上、成功率100%とは言えない部分もあるでしょう、
白内障手術は症例数も多く成功率はかなり高いと聞きますが、「95%以上」とも「99%以上」とも言われていますがやっぱり100%にはならないと言われています。
その中で、白内障があってもその方の生活環境の中で圧倒的な不利益が無ければ眼科の先生から進んで勧めてくる事も少ない印象です。
ただその「生活環境の中の圧倒的な不利益」の線引きは難しいと思うのですが、眼科的に線引きをするならばやっぱり眼科医が直接見た白内障の状態と検査上の視力がどのくらいまで見ているか?で判断するしかないのかと思います。
逆に患者さん側としたら様々な生活環境がある事を考えてみても、自宅や近所で過ごすことが多い方や、日常的に運転をすることが多い、活動的に外出する事が多いなどなどがあるので、ご本人が「見えにくいな」という部分も様々になるかと思います。
そんな中で、今回の方は白内障診断を受けるも眼科で「眼鏡を掛ける事によって免許の更新も問題ないです」と眼鏡処方箋をもらたという経緯でした。
白内障があっても視力が出る場合の眼鏡
白内障がある場合、先ほどの「度合い」に寄りますが、お客様がどういう見え方をしているのか?を知る必要がります。
上記のような白内障の度合いは眼科でのチェックなので我々眼鏡屋がその詳細を知る事は出来ないので、処方された度数を元に白内障によって発散してしまう光をフィルターレンズによって整えてあげるような方向で提案させていただきました。
フィルターレンズと言えども平たく言うとカラーレンズです。
メガネレンズとしておしゃれ用に入れるカラーレンズとフィルターレンズと言われる物は主に何が違うかというと、おしゃれカラーは外観上の「見た目」に基づいてカラーを作っているものに対してフィルターレンズは「通したい色」と「通したくない色」をコントロールしながら作られています。
そしてその通したい色、通したくない色もひとり一人の状況によって異なる部分があるので、大きく分けると光の三原色であるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の中でどの色が眩しく感じるのか?どの色を抑えると暗く感じるのか?というのを探りながらレンズの選定をしていきます。
場合によってはこのカラーだけじゃなく、コーティングなども併用しながら見え方を整えるような感覚で選ぶことが重要かと思います。
ただやはりこの白内障という性質上、眼の中には白濁した部分が見え方の邪魔しているという事は変わりがないので、フィルターレンズなどでも十分な満足感が得られないケースがある事も事実です。