こんにちはメガネのイザワです
今日はすごく範囲の広いお話になりますが、眼で物を見るという事というタイトルでお話してみようと思います。
眼で物を見るという事とは
まず前提的なお話ですが、眼で物を見るという事は光が合ってその光が物に反射した光や透過した光が角膜水晶体硝子体を通り網膜に届き光刺激として感知し、視神経を通って脳で認識をします。
この経路の中でどれか一つが欠けても物を正確に見る事ができません。
例えば光が無ければ暗闇で見る事ができないという事も含まれてますし、光が合っても反射や透過しなければ結局網膜まで光が届かず見る事ができません。
ここまでは物理的な部分ですが、そのほかにも角膜が光を通さなければその先まで届きません。
もしくは眼まで光が届いても角膜水晶体で網膜に焦点が合うように光の屈折を行わなければ光は見えても正確に「物」を知覚することができません。
網膜に光がピントを合わせる事が出来ても網膜がその光を正確に知覚できなければ細部まで確認することが難しくなります、その後の脳に到達した映像が多少の不鮮明さなら脳が映像処理するような形である程度は補正をしてくれますが、程度によっては補正も不可能な状態になります。(一部イメージ的な表現が含まれますが)
一言に物を見るという事を簡単に考えてもこれだけの経路と状況があります。
そこで基本的に眼鏡屋で触れる部分というのはこの見えるという事を助けるためにできる事が限られています。
「角膜水晶体で網膜に焦点が合わなかった場合に、メガネレンズによってピントを補う事」
「サングラスカラーや機能性カラーによって眼に入射する光の量をコントロールしたり整えたりして見える条件を良くする事」
でしょうか。
細かい事を言うと「角膜水晶体で焦点が合わなかった場合」も屈折特性の補正によって改善できる場合は眼鏡によって補う事ができますが、そのほかのケースもあるのでケースバイケースになるかと思います。
最近よく聞く光過敏症や眼球使用困難症
ここからは基本的には医療的な領域が含まれますが、当然私は、いち眼鏡屋なのでそれを判断したりすることはできません。
ただ病院でも診断はされても原因がわからずに困っている方もおられます。
この光過敏症や眼球使用困難症は直接的に原因不明な事が多く明確な治療が無いともいわれています。
ここからは素人の勝手な見解というスタンスでお聞きください。
私の眼は遠視と強度の乱視があります、最近の眼を測る機械で角膜の波面収差という物を計測できる機械で測ってもらうと角膜表面に複雑な乱視成分が検出されます。
一般的に眼鏡で矯正できる乱視は正乱視と言って特定の方向とそれに直交する軸で度数成分が違う事を言います。
そして正乱視に対して不正乱視という物があります、これは正乱視が規則的な物だったものに対して文字通り不規則な方向や場所で乱視成分が発生している状態です。
ただこの正乱視と不正乱視の明確な線引きは無いと言っても良いのかもしれません。
その中でカテゴライズするならば一般的な乱視レンズで矯正して矯正視力を得られれば正乱視、乱視レンズで矯正しても矯正視力を得られなければ不正乱視と分ける程度でしょうか?
ちなみに私の場合は先ほど申し上げた角膜上で起こっている乱視成分は不正乱視っぽいデータですが、一般的な乱視レンズ矯正にて矯正視力は良好です。
しかしなんとなく左目が見ずらい感じがする・・・
眼科でも先生に角膜水晶体の辺りは見ていただいていて俗にいう白内障などはほぼないとの判断ですが、そうなるとこの見えずらさの原因の一つは「角膜にある不正乱視っぽさ」も一つの要因だと個人的には思っています。
そこで実験的に度無しのソフトコンタクトレンズを装用し、その上からいつもの眼鏡を掛けて日常を過ごしてみると、あら不思議、なんとなく感じていた左目のもやもやが感じにくくなった!!
これはあくまで仮説ですよ!個人の感想です。
ちょっと前に何かのテレビCMで「未病」という言葉がありました。
病気には至らないけども絶好調ではない状態かと思いますが、まさに「眼で物を見るという事」にも通じるものがあるかと思います。
ちょっと話題がそれているようにも思われるかもしれませんが、そうではなく、先にお話した光過敏症や眼球使用困難症になっている方の中にもこういったちょっとした事が起因してるケースも少なからずあるのではないかと思います。
例えは穏やかな適度な日差しが差す草原だったり、空気の澄んだ高台からの景色って気持ちよくくっきり見えるイメージですが、それが曇っていたり、空気が霞んでいたりするとスッキリ見えなくなりますよね?
はたまた日差しが強い水辺などに行くと上からの太陽光も眩しい、水面からの反射もありしかも不規則にちらちら反射が視界に入る中で一日過ごすと疲れちゃうと思います。
体力があれば「疲れたな」で済むところも疲労が重なれば「目を開けてるのもつらい」とかちょっとした光も鬱陶しく感じてしまうような状態になるのかと思います。
サングラスを掛けたりすることによって光の刺激を軽減し、それで事足りる方も多くいらっしゃると思いますが、これが角膜表面で起こってる乱反射も原因の一つだとすればサングラスを掛けるだけでは解消しないケースもあるかと思います。
もしくはその両方を軽減する目的を考えるのも方法でしょう。
実際にも最近、眼球使用困難症を診断されるも明確な治療が無く困って来店されるお客様がいらっしゃいます。
眼鏡を掛けていない状態でも「裸眼視力」は良好でしたが、眼鏡で見え方を整えるようにしてテスト装用をした結果、短時間でも見え方の違いを実感されました。
実際には度付きの機能性カラーレンズで作成していただき、1か月後くらいに調整クリーニングに来店された際も「かなり快適になった」と言っていただきました。
光過敏症や眼球使用困難症をすべて解決できるわけではありませんが、その解決の可能性の提案の一部をさせていただく事は可能かと思います。