こんにちはメガネのイザワ伊澤康一郎です
今日は壮大なタイトルを付けてしまいましたが、メガネ屋が語るにはかなり重いタイトルです(笑)
でもやはりこの部分はみなさん非常に気になるところではないでしょうか?
少しの私の経験上と眼科向け専門誌などに掲載された視能訓練士さんや眼科医の見解などを私なりの解釈で書いてみようと思います。
先に注意していただきたい部分は、近視進行を抑制する事を約束するものではありません。
「牛乳飲んだら背が伸びる」と同じくらいの感覚でお読みください・・・
まず私が業界でメガネ検査をするようになってもう20年が経とうとしています。
その中で様々な方の見え方の変化なども見てきました。
例えば学生時代から社会人になりデスクワーク(PC)作業が膨大になり近視が進んでしまった例や社会人でも外回りが多かったが部署が変わってデスクワークなどの近方作業が多くなった例、ご年齢を重ねて近視がだんだん弱くなる例・・・
一言に屈折異常といっても様々な要素があります。
遠視と正視と近視は同一線上にあると思っていいと思いますが、正視は目が調節力を使っていない時に遠くにピントが合う状態、網膜上にピントが合っている状態です。
遠視はその時に網膜よりも後ろにピントが合い
近視は逆に網膜よりも手前にピントが合います
ここで深く掘り下げると屈折異常の要素として屈折性と軸性というものがあります。
屈折性とは屈折力を持った角膜、水晶体の屈折力の強さの違いによって起こる近視や遠視
軸性とは角膜水晶体の屈折力は平均的な強さでも眼軸という眼球の長さの違いによってピントがずれてしまっている状態です。眼球が長くなるということは網膜が後方に位置することによって必然的にピントが前に合い近視状態になるというものです。
前振りが長くなりましたが、本題に戻ります。
私が今まで経験してきた中で目に見えて近視が進んでしまった方に比較的多い割合いらしたのは日常的に近方作業が増えた方です。
上の図で例えば正視の方が近くの物をみようとすると調節を働かせない場合は対象物が近くにきた分ピントは網膜後方に移動します。
通常は水晶体の調節力によって網膜上にピントを持ってこようとしますが、その他にも目は頑張ってピントを合わせようとして順応しようとします、その一部の作用として眼軸が伸びて「近くにピントが合わせやすくなるようにする」とも言われています。
ただメガネ店では当然眼軸を測ったりすることはできないので原因を特定することはできません。
その他というかそれと合わせて起こっているとは思いますが、水晶体が調節力を働かせて力んでいる状態、緊張状態からうまく弛緩できずに近視状態になってしまう仮性近視という状態もあります。
例えて言うならスキーのブーツなどで足をガチガチに締め付けて一定時間はいた後、ブーツを脱いでも履いている感覚が残っていることってありませんか?
目の調節力にも同じような状況が起こり、遠くを見ようとしているのに調節力が凝り固まり近視のような状態になることがあります。
仮性近視の場合は目を休めたりすることによって回復することは十分にありますが、眼軸が長くなったりして起こった真性の近視は基本的に治ることはありません。(眼軸を短くする事はできない)
一度伸びた身長を戻すことはできませんが長い期間で考えるとご年配になって背骨の軟骨が縮んで身長が縮むことがありますが、眼も同じような感じの事は起こると思います。
最終的にまとめて言うと近視進行抑制には長時間の近方作業をなるべく避ける、もしくは一定時間毎に休憩をし遠くを眺めたり調節力の柔軟体操をするなどしたほうがいいと思います。
後はメガネを作る際も日常でよく使う目的距離を把握し眼科、眼鏡屋に伝えて適切な度数のメガネを作る事、例えば「デスクワークが多いのに遠くを見えやすくして欲しい」
逆に「普段運転が多いのに弱めに作って欲しい」というのは普段の目的距離と逆になるので目には負担になるかとおもます、しっかりとメガネ度数を測ってくれる人に要件を伝えましょう。
こういったことによって生活習慣から必要以上に近視が進むことはないと思います。
ただここで言い切れないことは近視進行理由は生活習慣だけではないところです。
人によっては病的に進んでしまう方や遺伝的に進んでしまう場合などもあると思いますので、サプリを飲むように目の負担になるようなことは避け、できる限り眼を勞ってあげましょう。
さて今回はすごく長くなってしまいました。
結論に行くまでに何度脱線したことか・・・
不特定多数の方が読む(と思われる)文章には難しいお題でした(笑)
よく質問サイトなどにも「なんで近視は進むんですか?」とだけ書いてあるような事がありますが、その人の年齢、性別、生活環境、今までの経緯なども分からなければ話の流れが複数ありすぎて答えられないなぁwwwと思うことがありますが、今回もこれを書きながらそんな心境になってしまいました(笑)
長く読みづらい文章な上に言い訳をさせていただきます。
認定眼鏡士と認定補聴器技能者のいる店
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