こんにちはメガネのイザワ 伊澤康一郎です。
昨日其の一を書き始めましたが本題に入る前に長文に成ってしまった為何回かに分けて書くことにしました。
結構お子様眼鏡にとって重要な事だと思うので是非目を通していただければ幸いです。
↓↓其の一
http://ameblo.jp/opt-izawa/entry-12288664177.html
では其の二ですがどこから書いたら皆さんに伝わりやすいか考えながら書きます・・・
専門的な知識をお持ちの方だと「その言い回し違うんじゃない?」的な部分もあるかもしれませんがなるべく誤解のないように勧めたいと思います。
まずベースに物を見る、見えるということをお話するのに眼の焦点距離をディオプター(D)という数字で表します。
下の図のように眼が調節力を使わない状態で無限遠方から来る光が網膜にピントが合うことが正視(上)、眼の屈折状態は0(ゼロ)D(ディオプター)です。
続いて中段は先程と同じように無限遠方から来る光が網膜前方にピントが合ってしまうことを近視と言います。
近視の方は光(対象物)が近くに寄ってくればピントも後方に移動するために調節力を使わなくてもピントが網膜上に合うことになります。
そのピントが合う距離を計算するとその眼に必要なD(ディオプター)がわかります。
ディオプターの計算式は
100÷距離(センチ)=度数(ディオプター)です。
距離に関しては眼より前(図で言う左側)眼前はマイナス(-)表示
眼よりも後ろの場合
眼後はプラス(+)表示になります。
例えば眼前1メートルの所でピントが合えば
100÷(-100㌢)=-1.00D
-1.00D
50センチでピントが合う眼は
100÷(-50㌢)=-2.00D
40センチの場合
100÷(-40㌢)=-2.50D
と言うかたちになります。
近視の場合は計算の理論値通りに実際に想像できるので考え方も比較的簡単ですが遠視の場合はややこしくなります(笑)
計算だけで考えれば近視の単純に逆です。
表現上遠視は眼の後ろに焦点距離があります。
眼後+100㌢の所にピントが合えば
100÷(+100センチ)=+1.00D
眼後50㌢で
100÷(+50㌢)=+2.00D
更にややこしくさせるのが眼には調節力があります。近視の場合無調節状態で-2.00Dの人はそれより遠くにピントを動かすことはできないので眼鏡やコンタクトで遠くにピントをあわせるように矯正するか対象物(見るもの)が近くに来ないと見えませんでした。
遠視の場合は調節力によって網膜より後ろにあるピントを、図の下(遠視)で言うと右側に出てしまっているピントを左側に移動させることができます。
+1.00Dの遠視の人は1.00Dの調節力を持っていれば遠くを見る分には網膜上にピントを合わせることができるので視力も良好だろうと予想がつきます。
ここで一旦調節力の話に移ります。
調節力と言うのは無限にあるわけではなくて年齢とともに変化をします。
平均的には
10歳で12.00D
20歳で8.00D
30歳で7.00D
40歳で4.50D
50歳で2.50D
60歳で1.00D
70歳で0.25D
と言われています。
遠くを見る分には20歳で+8.00Dの遠視の方であっても調節力でカバーするので理論上は視力は出るかもしれません。
ただ人間の生活上遠くばかりを見ているわけではありません、20歳で+8.00Dの人が100センチ先にあるものを見ようとしただけで目一杯調節力を使ったとしてもピントを合わせることができません。
それどこか遠くを見る際に常に力んでいる状態です。
実際には+8.00Dの遠視がある方はすでに眼鏡を掛けていると思います。
もう少し現実的な数字で比較してみます。
仮に正視の方が近くを見る際に必要な調節力を考えてみると
読み書きをする距離が40センチだとします。
40センチを見るのに必要な調節力は
100÷(-40㌢)=2.50D
正視の人は調節力を0.00D~2.50D持っていれば遠くから40㌢まではピントを合わせることができます。
先程の調節力の変化で当てはめてみると50歳までは理論上はピントを合わせることができます。
ただこれは平均的な値で更にはフルパワーを使って見たときです。
デスクワークなどで近方作業が多い方などは疲れてしまってフルパワーで1日乗り切ることは難しいでしょう・・・
なので一般的には「45歳くらいから手元が見づらくなりますよ」と言われています。
この件は其の三でもう少し掘り下げていきます。
さてでは幼児期は調節力もあり遠視があっても自分の力でピントを合わせられるんだから良いじゃないか!!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでいい場合もありますが良くない場合もあります。
人間は左右2つの眼で一つの映像になるように見ています。2つの眼で見る事によって平面的ではなく立体的に距離感も捉えています。
遠くを見るときには視線はほぼ平行になり、近くを見るときには寄り目をして視線を合わせます。
この寄り目になる運動は調節力とも連動しています。
調節力を使ったときには「近くを見てるんだな」という感覚で寄り目も同時に行われるケースがあります。
其の一でも基本で触れていますが、
視力は生後発達を開始し大体6歳位には成人と同じくらいの視力まで発達すると言われています。
そして視力も含めた両眼視機能は9~11歳頃には完成すると言われています。
この発達する段階の中で調節力の使い方と寄り目の使い方、両眼視機能と言うものが発達するのですが、このバランスが崩れてしまうと斜視や弱視などに成ってしまう可能性が高いのです。
眼科の視能訓練士さんは「単純に遠視があるから矯正しましょう」とは言いません、経過を細かく見ながらご家族のお話を聞きながら慎重に眼鏡を使って治療するか検討し眼科医と相談します。
信頼をおける眼科さんで出た処方箋はそういった経緯を経て決定されています。
「眼鏡を作ったけど子供が余計見えないと言ったから結局掛けさせてない」とか
「子供がすぐに外しちゃうからそのままにしちゃってる」とか極稀にありますが、お子様の眼の成長のためにそのままにしないでください。
必ずそんな時には処方箋を出してくれた眼科医または眼鏡を作った眼鏡屋に相談してください。
たまにセカンドオピニオン的に他の眼科で見てもらったらその日のうちに弱い度数の処方箋を出されたということもあります。
セカンドオピニオンを受けて他の見解を聞くことも必要なこともありますが、お子様の遠視乱視、弱視、斜視の場合の度数決定には時間を掛けて様々確認をして決定するケースがほとんどです、最初に処方箋をもらった眼科さんが時間を掛けていて、セカンドオピニオンで受けた眼科でその日のうちに処方箋が出たとしたら時間を掛けて決定した処方箋の方が信憑性は高いと思います。
まぁでも逆パターンもあるので一概には言えませんが、総じて言えることはお子様の遠視乱視、斜視弱視の度数決定は非常にシビアです。信頼のおける眼科さんでよく見て頂く事と、その眼鏡を作る際は信頼のおける眼鏡店で作ってください。
処方箋の効果をしっかり出せるフレーム選び、使用後の調整なども非常に重要な要素です。
高い眼鏡が良いというわけではありません。
「ちょっとぶつけて曲がっちゃった」とか細かいことでも気軽に行って直してくれる状況がお子様にとっては非常に重要なことです。
認定眼鏡士と認定補聴器技能者のいる店
メガネのイザワ
大田区仲六郷2-31-9
H.P : http://opt-izawa.com
facebook: https://www.facebook.com/optizawa/