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視生活を明るく快適に メガネのイザワ

メガネレンズの製造方法いろいろ

こんにちはメガネのイザワです。

今日は結構知られていないメガネレンズの製造方法いろいろという事で書いてみようと思います。

ただ製造の現場にいるわけではないので、私の知る限り、販売の現場で収集できる情報での内容となります。

 

レンズの製造方法はいろいろあります

皆さんメガネレンズがどうやって作られているか想像したことありますか?

眼鏡として出来上がると全部同じように見えてしまう物ですが、様々な製造方法があります。

工業製品なので同じものを大量生産をすればコストは抑えられますが、ひとり一人に合わせた一点ものを作ろうとすればコストがかかってきます。

レンズを製造する機械や方法の進化も手伝って小ロット生産のレンズも手が出せる価格にはなってきていますが、同時に大量生産の商品はメガネレンズとしては気軽に買えるような価格帯の物もたくさん出ていますね。

眼鏡レンズ販売の歴史的な部分をさかのぼるとガラスレンズが主流でしたが、今回はプラスチックレンズになってからのお話をしていきたいと思います。

 

プラスチックレンズの原材料は「モノマー」と言われる液体の状態です。

この液体をモールドと言われる型に流し込んで固めてメガネレンズの丸い形を作ります

この方に流し込んで固めるのは電気炉で熱を加えて固めるそうでその時の温度は100℃!

プラスチックレンズは熱に弱いと良く聞くと思いますが作るときは結構な温度で固めるなんて不思議な感じがしますよね(笑)

ただメガネレンズが熱に弱いと言われる所以はプラスチックその物が弱いというわけではなくて、その上に掛かっているコーティングとプラスチックの熱膨張率の違いによっておこるので、そのメカニズムについてはまたの機会に・・・

 

このモノマーをモールドという型に流し込んで固める工程を「キャスト工程」と言います。

このキャスト工程はこれから出てくるメガネレンズのいろいろな製造方法のスタートラインです。

キャストの段階で前面カーブと後面カーブを作れば成型した段階で度数が付きます。

この作り方であれば「メガネレンズに度数をつける」部分は大量生産が可能です。

ただ現在日本で主に販売されているメガネレンズはレンズ表面にコーティングが施されています。

コーティングにも様々あり、まずはどのレンズにも間違えなくついているのはハードコート、プラスチックその物は比較的柔らかいために傷がつきやすいです、その傷をつきにくくするためにハードコートを掛けます。

その後反射防止コートと言われるものを何層かにわたって掛けていきます。

ここまでは一度に何百枚単位で行えるので、コストを抑える事が可能です。

ここから問題なのが、それぞれのレンズ度数によって光学的な理想が変わってくるという部分です。

こちらは適当に描いたイラストですが、レンズ面に対して直交する光軸、12mmのところで測定した度数が基準となります。

この基準をもとに作るとなれば先ほどの大量生産することは可能ですが、メガネレンズとして使う時にこの基準通りにいかない部分が出てきます。

眼鏡として掛けた時に視線を基準に考えて距離は調整でカバーするとして角度は傾斜角が使用用途によって理想の角度が異なります。

どちらにしてもレンズ作るうえでの基準は直交でしたが眼鏡として作るときは傾斜角が付いた方が理想的だとされています。

この時、丸い形で作るレンズはどのレンズ方向で入るか?は想定しておらず、眼鏡としての理想とは離れていきます。

最近の高機能レンズはこの眼鏡を掛けた時の眼との距離や角度、枠入れするフレームの形などによって収差をなるべく少なくするように度数設定を再計算して最適な補正をかけたりして作成します。
その細かな作製にもこたえられるような加工機器の進化があります。

 

先ほどのキャスト工程のでレンズの土台を作り裏面をフリーフォーム加工という切削機械で細かく度数をつけていきます。

 

量産品のレンズを作るときには前面カーブと後面カーブで度数が決まると書きましたがこのフリーフォーム加工は細かい箇所ごとに切削をして度数を作っていきます。

量産レンズが山と谷みたいなざっくりとした形状だとするとフリーフォーム加工のレンズは地形を作っているような感じでしょうか?
地図の等高線みたいなものをイメージしていただければ似たような感じかと思います。

 

このレンズ製造方法は細かく指定ができるほどに高価になりますが、段階を踏んでラインナップがありますので作成度数やフレーム形状、使用用途などに応じて必要なスペックのレンズが選べるかと思います。