こんにちはメガネのイザワ 伊澤康一郎です。
さて今日はちょっと難しそうな話をしようとしてますが・・・
なるべく一般的にも伝わりやすくしたいんですが、なにせ私も落としどころ今のところ纏まっていませんwww
逆に先に結論決めちゃいましょう!!
メガネレンズは高ければいいというものではありません!!
オーバースペックは逆効果になることすらあります。
でもこれだけで終わってしまうと、高スペックレンズが必要なのに「そんなにいいレンズは要らない!!」と勘違いしてしまう場合もあるかもしれないので、何をもってオーバースペックなのか?逆にどういう場合に高スペックレンズが必要なのか?の一つの判断材料になればいいなと思います。
さてさっそく、たぶんレンズに関して多くの皆さんが知っている言葉に「球面・非球面」と「薄型素材や圧縮レンズ」辺りは聞いたことある方が多いのではないでしょうか?
今日は設計に関して主に触れていこうと思います。
(薄型素材に関しては過去記事で触れてたり実はYouTubeで話したことがあります)
まぁ素材に関しても必要があれば後日書くこととしますね。要望はコメント等頂ければありがたいです。
では設計!!
話をややこしくしないように今回は単焦点レンズに絞ります。
大きく分けて球面レンズと非球面レンズがあります。
この違いは読んで字のごとく球面形状を帯びている設計なのか球面に対して平らに近づけた非球面設計なのか?(すごくざっくり言ってますよ)
あくまでイメージイラストですが、レンズ前面のカーブを平らに近づけることによってレンズ周辺部の湾曲する収差を軽減しレンズの縁の厚みを軽減方向に設計できます。
理論上メガネとして掛けた時に周辺の歪みが軽減することによって違和感が軽減するというレンズです。
現代のメガネレンズは圧倒的に非球面設計が多くなっていますが、人によっては球面設計じゃないとしっくりこない方もいらっしゃいます。
さて一般論で進めていきますが、メガネを掛けた時をイメージしてみます。
イラストでは眼球中心を起点にまっすぐ見ている時を赤い線、周辺を見ているときは緑の線で描きました。
その線をそのまま下の方に長さを比べてみると周辺部を見た時の緑の線が長いのがわかります。
このイラストで見ると距離の変化は微々たるものの様に思いますが、この差はレンズの度数が大きければ(強ければ)大きい程に度数の作用の変化が大きくなります。
なのでこの度数の変化(誤差)からくる違和感や歪み感を軽減したい場合には非球面を選ぶという選択肢が出てきます。
そのほかにも球面レンズはレンズ前面がカーブしていることによる像の歪みがあります。
極端に言うと魚眼レンズのような作用が少なからずあります。
それを非球面レンズにすると周辺部の歪みが少なくなるので、レンズを通していないような自然な見え方になるように設計されています。
これはカメラレンズにこだわっている方などは「非球面レンズの歪みの少なさ」という部分ではピンと来るんじゃないでしょうか?
ただ・・・球面派の方には現在のメガネレンズラインナップからどんどん球面設計が減ってきているのも事実・・・選びたくても選べない状況になりつつあります。
しかし!!一般的な球面レンズは絶滅危惧種になりつつありますが、歪みを抑えて視野を広くとれるような最適化設計されたようなカーブレンズというのもラインナップが増えてきました。
火付け役はどちらかというとスポーツサングラスのように、顔に沿うような形状のフレームにあう高カーブレンズの度付きは歪みが多く厚みが出やすいという事でカーブを比較的深くしてもレンズ後面で歪みを抑えるようなセミオーダーレンズから始まりました。
メガネ界では「非球面至上主義」の時代が長く続きましたが、私は従来の一般的な非球面は誤魔化しの設計だと思っていました。
いやごめんなさい言い方悪く語弊があるかもしれません。
ある一定の度数や条件下で一般的な非球面レンズは設計されてます。←悪い意味じゃなく・・・
逆にメガネレンズを量産するうえである一定の条件を設けないと設計すらできませんからしょうがないことですが、メガネレンズを設計するときに世界共通で固定されるパラメータは「角膜から12mm」という目とレンズの距離です。
虫眼鏡(拡大鏡)を手にしたことがある方は多いと思うので例えますが、虫眼鏡越しに対象物を見て虫眼鏡を前後に動かすと対象物が大きくなったり小さくなったりしますよね?そして位置が合わないとピントが合わなくなったり、場合によっては対象物がさかさまに見えたり。。。
これは眼とレンズの距離が変わることによってレンズの度数はもちろん変わっていませんが、作用が変わっています。
なのでメガネレンズも12mmの所でー3.00Dというレンズを作っても15mmとか20mmの距離で使えば作用はー3.00Dからずれて作用します。
「歪みをなくし、掛けやすいレンズ」を目指していても量産品でレンズ度数一つとっても多岐にわたるので限界がありますね。
そしてもう一つ量産品ではカバーできない部分はこれ
レンズは眼鏡になると必ずしも視線と直行するわけではないのでそれによっても「設計上」とは違う誤差が出てきます。
その誤差を埋めるためにお客様の度数はもちろん眼との距離やフレーム形状に基づいて再設計して作るレンズも出てきています。
そのレンズを研磨する技術もすごいんですけど、今日は長くなりそうなのでまたの機会にします。
話を戻すとレンズの設計的なグレードは、
球面
↓
非球面
↓
フレーム形状別設計
↓
度数別設計
↓
フレーム別、度数別設計
の様に段階があります。
これだけ段階がありますが、冒頭に書いたように設計が効果になればいいというものではなくそれぞれに応じた物があります。
それは眼鏡屋が設計の違いをよく理解して的確な商品をお客様へ提案できるようにすることが一番だと思います。
「視生活を明るく快適に」
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