こんにちはメガネのイザワ 伊澤康一郎です。
早速ですが、皆さんメガネを作った時に、出来上がってきたら「あれ?イメージと違う」と言うことありませんか?
注文時に見たメガネは度数が入っていないフレームのみで出来上がってきたときには当たり前ですが度付きのレンズを入れてお渡しします。
その時にレンズカラーを入れたり度数によっては薄型レンズを選択したり組み合わせは様々ですよね。
私達もお客様の持っているイメージと乖離しないようになるべく出来上がりのイメージをお伝えするようにはしています。
レンズカラーであれば当然カラーサンプルをお見せしますし、近視レンズの場合にはお選びいただいたフレームとお客様データを元にどのくらいの厚みが出るか?レンズの素材を変えることによってどのくらい薄く仕上げられるか?を算出し厚み見本をお見せしたりしてご納得いただいてお作りいただけるようにしていますが、遠視の度数は要注意というかなかなか出来上がりのイメージが出来にくい部分があります。
まずレンズの度数はレンズの素材屈折率とレンズ曲率によって作られます。
イラストは両側に凹レンズの組み合わせでと例えば同じ度数を作るのに素材屈折率が変わらずに片側が平らになればその分、反対側の曲率はより深くならないと同じ度数は発生しません。
作図上これが前面を平らにしてその分を片側の曲率で賄おうとした図です。
(ちょっとマタヘイみたいになっちゃった)
あくまでイメージですがレンズの基本設計の違いによりレンズの厚みにも反映されることがわかります。
球面設計、(外面)非球面設計、内面非球面設計、両面比球面設計、単焦点レンズの「設計に違い」としてはこの4種類でしょうか?
なのでレンズ厚みの予測をする上で考慮するべきデータとしては
フレームサイズ(形状)、お客様度数、瞳孔間距離(レンズの中心)、レンズ素材(屈折率)、レンズ設計
基本的にはこの5つの項目がわからないことにはレンズの厚みは計算できません。たかだか単焦点近視レンズでもです。
さてここまでは前振りで遠視レンズはもう少しややこしくなります。
先程の近視レンズは中心が一番薄いので設計、素材、度数が決まってしまえばあとはフレームを小さくすればするほど薄くなりますので、レンズの厚みを左右する要素としてはフレームの玉型サイズが大きなウエイトを占めます。
というのは基本的にお客様に一人に対して動かない数字というのは瞳孔間距離とレンズ度数がありますが、
数値の変動のあるものは
・フレーム形状(サイズ)
・レンズ素材屈折率
・レンズ設計
この変更できる数字をいじって出来上がりの眼鏡をどれだけ薄く、スッキリとお客様のイメージに近づけるようにと言う感じになります。
遠視レンズは近視レンズとは逆の凸レンズです。
凸レンズの場合にも凹レンズと同じく両面の曲率で度数を分散してあげたほうが厚みは薄くなります。
しかし近視と違う部分はこのままレンズを削って小さくいしていっても中心の方が厚いために仕上がりとしては不格好になりやすいです。
もちろんこの場合もレンズ素材屈折率を変更することによって薄くすることは出来ますが、凸レンズのすごい所?はもともとレンズを小さく作成すればもっと薄いレンズが作れるんです。
イラストにするとこんな感じです。直径①の方と直径②は直径が違うだけでレンズの曲率は作図上ももちろん変えていません。
でも中心の厚みは明らかに違いますよね?
このスライスという加工は当店ではレンズ代別途3,240円で行っています。
無駄に高単価のレンズ素材やレンズ設計を使わなくともスッキリ仕上げようと思えば出来る場合もあります。
もちろんスライス加工はどんな条件にも適用できるわけではありませんが「売上目標!!単価アップ!!」を競っているお店はより薄型レンズをおすすめするんでしょうね・・・
私の場合、単価の高い商品をおすすめする際、明確にお客様に利益がある場合にしかお勧めしていません。
もちろん商売だからお客様の利益が大前提にあってその上で、より良いものをご購入頂くことは大変ありがたいことです♪
でも目先の単価を上げるために度数もそこまで強くないのに無駄に高屈折レンズを使用すると光学的な弊害もあります。
メガネレンズ素材は高屈折素材になればなるほど基本的には色のにじみが(色収差)出やすくなります。
度数的にやむを得ない場合には当然高屈折レンズをお勧めしますが、仕上がりに差が殆ど出ないのに高屈折素材にしてしまうと見え方に影響することもありますのでやっぱりちゃんと自分の眼のことを考えてくれる眼鏡屋さんと一緒に検討してもらいたいと思ってます。
なんか最近オチが宣伝的になりがちですが、現代の眼鏡屋選びってほんとに難しいと思います。
もし、私が一般ユーザーだったら・・・と考えるとゾッとします。。。
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